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コラム

「女性自衛官の国を思う志に、感動が込み上げてきた」

2008年6月3日 自由民主「この一冊」

「小説防衛省」
大下 英治 著 (徳間書店)

関西を中心に、ジャーナリストとして、テレビキャスターとして「経済と環境の両立」を主なテーマとして取り組んできた私ですが、国の根幹をなす防衛問題については、正直なところ、これまで十分な知識と見識があったとは言えません。

国政に携わる今、幅広い行政分野について、的確に理解するためには、専門外の良書との出合いが重要であると痛感しています。

そうしたなか、大先生から、一冊の本を紹介されました。七百ページ以上に及ぶ重みのある「小説防衛省」です。

本書は、全編にわたって、大下英治氏の幅広くかつ卓越した取材力に基づくキーパーソンのコメントを巧みに織り込みながら、戦後の防衛政策の行方を追っていきます。

特に、昭和四十五年、中曽根康弘元総理の防衛庁長官就任以降、歴代の防衛庁長官、防衛大臣を中心に展開される緊迫した一つ一つの対応には身が引き締まる思いです。

そして、本書の後半には、表題の冠にある「小説」にふさわしく、「防衛」をめぐるそれぞれの人々の懸命な取り組みがつづられています。その一人である女性自衛官の国を思う志に、そして女性自衛官の先駆者として自らの道を切り開いていく姿に熱いものが込み上げてきます。

加えて、全編の底流には「防衛省」の昇格に至る経緯と意義、その責務の重みが、多くの識者のコメントのなかに刻み込まれています。

本書は、緊迫した国内外の事案への対応、中期的な展望に立って推進される防衛政策、装備をめぐる情報化、先端技術の進展の流れなどが分かりやすく、かつ興味深く記されています。

常に変化する国際情勢のなかで、四面環海の日本の「ディフェンス」について、思いをめぐらすことができる時宣を得た一冊です。

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